臨済宗とは
中国の禅宗五家の一つで日本仏教においては禅宗の一つです。日本三大禅宗の一つです。鎌倉時代に宋に渡った栄西(えいさい)が禅宗の教えを学び、帰国後に臨済宗を開きました。臨済宗では師と弟子とが向かい合う看話禅(かんなぜん・かんわぜん)で公案(禅問答)によって師から伝承されます。このように悟りを開くことに重きを置いて代々悟りを受け継いでいるのが臨済宗の特徴です。大本山は14ある宗派ごとにそれぞれ異なっており、1番大きな宗派である妙心寺派の大本山は京都の妙心寺となります。
臨済宗の葬儀の流れ
臨済宗の葬儀は、授戒(じゅかい)、念誦(ねんじゅ)、引導(いんどう)を中心に執り行われます。禅宗である曹洞宗と同じように鼓?三通(くはつさんつう)という特徴的な儀式があります。鼓?三通とは鼓(く)、鐃?(にょうはち・にょうばち)、引磬(いんきん)という楽器のシンバルや太鼓やチャイムのような法具を大きな音で鳴らす儀式です。
一般的な仏式の通夜となります。
導師入場から始まり、続く剃髪の儀では故人さまの髪を剃り落とす作法がありますが、実際には髪を切らないことも多いです。懺悔文(ざんげもん)では故人さまの生前の罪を反省することで成仏するようにお願いします。三帰戒文(さんきかいもん)では仏弟子となるために仏・法・僧に帰依しますという戒を受け、酒水灌頂(しゅすいかんじょう)という清めの儀式が執り行われます。続く血脈授与(けちみゃくじゅよ)では仏法の系図(お釈迦さまから故人さままでの系図)を霊前に供えます。
次の入龕諷経(にゅうがんふぎん)では導師が大悲呪(だいひしゅう)と回向文(えこうもん)という2つのお経を唱えます。続く龕前念誦(がんぜんねんじゅ)では棺を閉じる際に導師が再び大悲呪と回向文を唱え、さらに十仏名(じゅうぶつみょう)というお経も追加で唱えます。起龕諷経(きがんふぎん)でも導師が再び大悲呪と回向文を唱えます。
次に山頭念誦(さんとうねんじゅ)という故人さまが成仏できるよう往生咒(おうじょうしゅ)というお経が唱えられます。この際に、僧侶が複数いる場合は鼓?三通(くはつさんつう)が執り行われます。
続く引導法語(いんどうほうご)という故人さまの魂を仏の道へと導く儀式が執り行われます。導師は故人さまを送り出すために法語・引導、または故人さまの生前の徳を讃えた漢詩が唱えられます。引導法語の最期に導師が「喝」と叫びます。
最後に、ご遺族・ご親族・参列者の焼香が始まります。焼香の間は導師が大悲呪と回向文を唱えます。複数の僧侶がいる場合は鼓?三通が再び執り行われます。続いてお別れの儀・出棺の儀となります。
出棺の儀の後に火葬して収骨します。
臨済宗の葬儀におけるマナー
臨済宗の葬儀での服装、数珠、香典、焼香の作法などについて解説いたします。
臨済宗の葬儀での服装

遺族さまは正式礼装の喪服となります。参列者は洋装の場合は礼服で問題ありません。男性は黒のスーツ上下(シングル・ダブルどちらでも可能)、黒のネクタイ、白のワイシャツ、黒の靴下、黒の革靴(光沢のないもの)。女性は黒のスーツ・ワンピース、黒のストッキング、黒のフォーマルな靴(光沢のないもの)、黒のカバン(光沢や金具のないもの)、白の無地または黒のフォーマルなハンカチ。また、和装では紋が染め抜きで5つ入っているものを選びます。女性は黒無地着物、男性は黒紋付き羽織袴となります。
臨済宗の葬儀で必要な数珠

臨済宗の葬儀で使用する正式念珠は「看経念珠」といいます。曹洞宗のものとは四天珠の位置が異なっており、百八環金と呼ばれる銀の輪は入っていません。男性は「略式数珠」、女性は「略式数珠」、「振分念珠」を使用されることも多いです。数珠の持ち方は座っている際・歩く際は左手の親指と人差し指の間に2重にして親玉が上にくるようにかけ、房を握るようにして持ちましょう。合掌する際は左手の親指と人差し指の間に2重にしてかけて房が下に垂れるようにしてそのまま合掌します。略式数珠もご利用いただけます。略式数珠もご利用いただけます。
臨済宗の香典について

臨済宗の香典の表書きには「御霊前」または「御香典」と書くのがマナーとなっています。渡し方は袱紗から香典袋を出し、受付の方が文字を読めるように向けて渡します。
臨済宗の焼香の作法

臨済宗の香典の表書きには「御霊前」または「御香典」と書くのがマナーとなっています。渡し方は袱紗から香典袋を出し、受付の方が文字を読めるように向けて渡します。
宗教(宗派・宗旨)について
浄土真宗、浄土宗、真言宗、日蓮宗、天台宗、曹洞宗、臨済宗、神道、キリスト教等の各宗教・宗派ごとの葬儀の違いについて解説しております。