葬儀のマナー

葬儀のマナー

葬儀のマナーを身につけたくはありませんか? お葬式やお別れの会で必要になってくるマナーをご紹介いたします。服装・カバン・アクセサリー類、法具・仏具、供花・供物、弔電、お香典、ご焼香、献花、出棺、火葬、弔問のマナーに関して解説をさせていただいています。

服装に関するマナー

通夜・告別式での服装は冠婚葬祭で使用可能な礼服で構いません。喪服は礼服の中で葬儀にしか使用できないものをいいます。喪主さま・ご遺族さまは喪服の方が好ましいですが、略式喪服として洋装だと女性は黒のワンピースやフォーマルスーツ、男性は黒のフォーマルスーツでも問題ありません。靴は黒で光沢のないものを選びましょう。ネクタイは黒無地、ワイシャツは開襟ではない白無地のものが望ましいです。ストッキングは黒いものでタイツは好ましくありません。また、和装では紋が染め抜きで5つ入っているものを選びます。女性は黒の無地の着物、男性は黒の紋付き羽織袴となります。

法具・仏具・その他アクセサリーに関するマナー

アクセサリー・カバン等

カバンは男性も女性も黒の光沢のないもので金具のないものを選びましょう。最近では皮のバッグでなくても黒のトートバッグ等の方もいらっしゃるので、そこまで気にする必要はございません。

女性が洋装の際に身につけるネックレスは真珠が望ましいです。和装の際にはネックレスは付けません。男性はピアスや結婚指輪以外のアクセサリーを着用するのは好ましくありません。女性が洋装の際に身につけるのは真珠のピアスやイヤリングであれば大丈夫です。真珠に関しては白以外にも黒やグレーでも構いません。

数珠について

数珠とは葬儀で使う代表的な法具・仏具です。数珠には男性用と女性用があります。通常の葬儀では日蓮宗以外は略式数珠を持参すればまったく問題ありません。宗旨・宗派によって使う数珠の種類や持ち方等が変わってきます。なお、人から数珠を借りる等は良くないとされていますので、ご自分のものを用意しましょう。

浄土宗の正式な数珠

2つの輪が繋がっている日課念珠という形状のものを使用します。使い方は座っている際は左手首にかけて、歩く際は左手の指にかけて房が下におりるように持ちましょう。合掌する際は両手の親指に親玉を合わせてかけ、房は下におろして、そのまま合掌します。略式数珠も、ご利用いただけます。

浄土真宗の正式な数珠

形状や玉の数にこれといって決まりはなく、房だけが蓮如結びになっているのが特徴です。使い方は座っている際は左手首にかけて、歩く際は左手の指にかけて房が下におりるように持ちましょう。合掌する際は本願寺派は数珠を2重にして両手の親指と人差し指の間に親玉を合わせてかけ、房は下におろして、そのまま合掌します。真宗大谷派の場合は数珠を2重にして両手の親指と人差し指の間に親玉と房を上にしてかけて房は左手の甲に垂らします。略式数珠も、ご利用いただけます。

真言宗の正式な数珠

2重になっている振分数珠という形状のものを使用します。使い方は座っている際・歩く際は左手の親指と人差し指の間に2重にして親玉が上にくるようにかけ、房を握るようにして持ちましょう。合掌する際は両手の中指に数珠をかけて房が両手の甲に垂れるようにして、そのまま合掌します。真言宗ではどの宗派でもこの使い方です。略式数珠も、ご利用いただけます。

曹洞宗の正式な数珠

2重になっている看経念珠という玉に金属の輪が使われている形状のものを使用します。使い方は座っている際・歩く際は左手の親指と人差し指の間に2重にして親玉が上にくるようにかけ、房を握るようにして持ちましょう。合掌する際は左手の親指と人差し指の間に2重にしてかけて房が下に垂れるようにしてそのまま合掌します。略式数珠もご利用いただけます。

天台宗の正式な数珠

9寸サイズ、8寸サイズ、大平天台の3種類の数珠があり男性は9寸、女性は8寸のものを使用します。使い方は座っている際・歩く際は左手の親指と人差し指の間に2重にして親玉が上にくるようにかけ、房を握るようにして持ちましょう。合掌する際は数珠を両手の人差し指と中指の間に挟んで、中指・薬指・小指が数珠の輪の内側にくるようにして合掌します。略式数珠もご利用いただけます。

日蓮宗の正式な数珠

勤行数珠、装束数珠の2種類の数珠があり菊房が付いています。葬儀や法要では勤行数珠を使います。使い方は座っている際は左手首にかけて、歩く際は左手の指にかけて房が下におりるように持ちましょう。合掌する際は輪を8の字にして2本の房がある方を右手の中指にかけ、3本の房がある方を左手の中指にかけて房はそれぞれの手の甲に垂らすようにして、そのまま合掌します。日蓮宗ではどの宗派でもこの使い方です。略式数珠は、ご利用いただけません。

臨済宗の正式な数珠

2重になっている看経念珠という形状のもので曹洞宗と違い金属の輪が使われていないものを使用します。使い方は座っている際・歩く際は左手の親指と人差し指の間に2重にして親玉が上にくるようにかけ、房を握るようにして持ちましょう。合掌する際は左手の親指と人差し指の間に2重にしてかけて房が下に垂れるようにしてそのまま合掌します。略式数珠もご利用いただけます。略式数珠もご利用いただけます。

妊婦鏡

妊婦さんが葬儀に参列する際にはポケットサイズの鏡をお腹に仕込むという風習があります。これは、お腹の中の赤ちゃんに悪影響を与える邪気を跳ね返すという意味があります。鏡の向きは反射面を外向きにして、洋装の場合はタオル等に巻いて、和装の場合は帯で巻きます。しかしながら、妊婦さんは無理をなさらず参列しないという選択肢もございますので、どうしても参列したいという方も体調を第一に優先し決して無理はしないようにしましょう。

供花に関するマナー

供花の送り方

供花(きょうか・くげ)とは故人さまへのお別れの気持ちを伝える「弔意」として葬儀の場に送るお花のことをいいます。祭壇の両脇にお飾りします。まず始めに供花を送るタイミングですが、訃報の知らせがあったら供花を送る準備をします。心に遺るお葬式と提携している花屋をご利用いただく場合は消費税込みで1基16,500円となります。発注用紙は弊社担当がお渡ししますので必要事項を記入していただき、そこに記載されている FAX 番号に FAX していただく流れとなります。

ご遺族さまや喪主さまは1対(2基)を祭壇の左右に並べることが多いです。その他、親戚一同、子供一同等も1対(2基)が多いです。個人で送る場合は1基です。ご家族や会社で送る場合は1基に連名で送ることも可能です。

お花の種類や色に関しては、ご遺族さまの意向や故人さまが好きだった花を選ぶことができます。一般的には男性は男性色、女性は女性色というように、それぞれ花屋によって決まっています。持込みの際は弊社担当にご確認ください。ちなみに宗派によって、お花の種類がある程度決まってまいります。仏式の場合は白い蘭・百合・菊を、キリスト教式ではユリ・カーネーションを主に選ばれます。

大型の祭壇をご利用いただいている場合や、ご供花の注文が多い場合は芳名板というものを替わりに設置します。芳名板とは、ご供花にお札を立てずに専用の掲示板にお名前を載せるものをいいます。見た目にも綺麗で、お供えされた方もご自身のお札を確認しやすくなります。芳名板にした際は、ご供花の費用を祭壇費用へ充当し、花祭壇を作成することが可能です。その際は、芳名板に「皆様から頂きましたご供花で花祭壇を作成させていただきました。」という札を掲示いたします。

供物に関するマナー

供物の送り方

供物とは故人さまの供養を目的に捧げるお供え物のことをいいます。宗派によって変わってきますが果物・缶詰等を指します。最近では親しい間柄では、供物と一緒に香典を包むことが多くなっています。

供花と同じように、訃報のお知らせが届いたタイミングで送ります。ご自分で青果店で買って送る場合は、弔事用である旨をまず伝えて予算と送り先を伝えて通夜は当日の午前中までに届くように、葬儀・告別式の場合は前日までに会場に届くようにご依頼ください。包装紙やのしの紙の表書きを弔事用にし、水引は5本の結び切りのものを使用します。

盛籠(もりかご)で送る場合は札名を伝えて書いてもらってから送ります。

弔電に関するマナー

弔電とは

葬儀に参列できない方が故人さまへの哀悼を込めてお送りする電報のことをいいます。弔電は告別式で司会が読み上げます。

送付先

送り先は訃報に記載されていますが、故人さまのご自宅ではなく葬儀を執り行う喪主さま宛で住所は斎場に直接送ることになりますので、ご注意ください。電報は遅くとも式当日の午前中までには到着するよう手配してください。

弔電の書き方のマナー

「苦しみから解放」「大往生」「天寿を全う」等の言葉はなるべく避け故人さまへの感謝の言葉や故人さまの印象に残る言葉や思い出、伝えたい感謝の気持ち等を正直なお気持ちで書かれると良いでしょう。

気を付けなければならないのが「忌み言葉」とされている繰り返される言葉、例えば「いよいよ」「重ね重ね」「くれぐれも」「まだまだ」のような言葉ですが、言葉を重ねるというものが不幸を重ねるという意味合いを持たせるとして使ってはならないとされています。

他に気を付けなくてはならない点は、故人さまの宗旨・宗派によって使っていい言葉が変わってくるという点です。仏式の場合は「天国」、キリスト教式の場合は「成仏」「冥福」のような他宗教の思想を反映させた単語は使用してはいけません。

電報の種類

通常ですと紙製のものになりますが、現代ではブリザードフラワーのような花が付いてくるものや、お線香が付いているもの、ぬいぐるみ等、色んな種類の電報があります。お花がついてくるようなタイプのものや、ぬいぐるみは式場に飾らせていただくことが多いです。

香典に関するマナー

香典とは

故人さまの霊前にそなえる香に代わる金銭のことをいいます。現在では香を持参して霊前で焚くことはなく、お香料として現金を包むようになりました。

香典袋・不祝儀袋

香典袋は5千円までなら水引が印刷されたものでも構いませんが、1万円以上の場合は正式な結び切りの水引が付いているものを、浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗は「御仏前」、それ以外の仏教は「御霊前」、神道であれば「御玉串料」・「御神前」と書かれたもの、宗派の確認ができなかった場合は「御香典」を用意します。香典袋はコンビニ等で購入できます。

書き方

表書きの書き方は薄墨の筆ペンを用意して下に名前を書きます。中包みには、薄墨の筆ペンで表には楷書で「金」と頭に入れ、続いて金額を縦書きの漢数字で三千円は「参阡圓」、五千円は「伍阡圓」、一万円は「壱萬圓」、二万円は「弐萬圓」、三万円は「参萬圓」、五万円は「伍萬圓」、七万円は「七萬圓」、十万円は「拾萬圓」と書き最後に「也」を付けます。裏には名前・住所を薄墨の筆ペンで楷書で書きます。

金額の相場

一般的な相場は以下の表を参照ください。あまり多く包みすぎると、ご遺族に気を遣わせてしまうので気を付けましょう。

20代30代40代50代以上
両親5万円5万円10万円10万円
兄弟・姉妹3万円3万円3万円3万円
親族1万円1万円1万円1万円
知人・友人5千円5千円5千円1万円
上司・先輩・恩師3千・5千円5千円5千円1万円
部下・後輩3千・5千円1万円1万円1万円

渡し方

お式の当日に式場の受付にお渡しします。通夜・告別式両方に参列される場合はどちらで渡しても構いません。まず、袱紗(ふくさ)を右の手のひらに置き左手で袱紗を開けて、香典袋を取り出しましょう。渡す前に「この度はご愁傷さまでございます。」とお伝えして一礼します。袱紗は両手に置いても受付台に置いても構いません。相手が文字を読めるように香典袋の向きを変えて、仏教と神道の場合は「ご霊前にお供え下さい」、浄土真宗の場合は「御仏前にお供え下さい」と一言添えて両手で香典袋を渡しましょう。

御花料に関するマナー

御花料とは

御花料とはキリスト教式で、ご遺族にお渡しする金銭のことをいいます。通常の葬儀で、ご遺族にお渡しする香典のようなものとお考えください。

香典袋・不祝儀袋

一般的にキリスト教式専用の香典袋は十字架やユリの花のイラストが入っていて水引のないものが選ばれています。蓮の模様が描かれているものは仏教でしか使えませんので、ご注意ください。キリスト教式専用の香典袋はコンビニでは置いていない場合が多いです。文房具屋などで購入できます。

書き方

表書きの書き方は薄墨の筆ペンを用意して下に名前を書きます。中包みには、薄墨の筆ペンで表には楷書で「金」と頭に入れ、続いて金額を縦書きの漢数字で三千円は「参阡圓」、五千円は「伍阡圓」、一万円は「壱萬圓」、二万円は「弐萬圓」、三万円は「参萬圓」、五万円は「伍萬圓」、七万円は「七萬圓」、十万円は「拾萬圓」と書き最後に「也」を付けます。裏には名前・住所を薄墨の筆ペンで書きます。

金額の相場

一般的な相場は以下の表を参照ください。あまり多く包みすぎると、ご遺族に気を遣わせてしまうので気を付けましょう。

20代20代40代50代
両親5万円5万円10万円10万円
兄弟・姉妹3万円3万円3万円3万円
親族1万円1万円1万円1万円
知人・友人5千円5千円5千円1万円
上司・先輩・恩師3千・5千円5千円5千円1万円
部下・後輩3千・5千円1万円1万円1万円

渡し方

お式の当日に式場の受付にお渡しします。通夜・告別式両方に参列される場合はどちらで渡しても構いません。まず、袱紗(ふくさ)を右の手のひらに置き左手で袱紗を開けて、香典袋を取り出しましょう。渡す前に「この度はご愁傷さまでございます。」とお伝えして一礼します。袱紗は両手に置いても受付台に置いても構いません。相手が文字を読めるように香典袋の向きを変えて、「ご霊前にお供え下さい」と一言添えて両手で香典袋を渡しましょう。

香典返しに関するマナー

香典返しとは

香典のお礼として、ご遺族さまが頂いた金額の1/3~半額程度に相当する品物をお返しすることをいいます。返礼品ともいいます。葬儀後に郵送するか、即日返し・当日返しといって参列者さまの帰り際にお渡しすることもできます。

お渡しする期間

現在では通夜、葬儀・告別式の時点で即日返しするのが一般的です。しかし、香典を送ってこられる方や、弔問の際に渡されるといった場合もございます。そうした際には四十九日の法要が終わり、忌明けを迎えてから礼状を添えて郵送するのが一般的な作法です。なお、仏式以外の場合ですと、神道では五十日祭、キリスト教では1ヶ月後の記念日、または、追悼ミサの日を目安にお贈りするのが一般的です。

礼状

礼状とは、葬儀でお世話になった方、香典を頂いた方へ送るお礼のハガキをいいます。香典返しと一緒に送るのが一般的です。即日返しの場合は返礼品の袋に入れて会葬者へとお渡しします。挨拶状とも呼ばれます。

焼香に関するマナー

焼香とは

焼香とは通夜・葬儀の際に死者を弔い、仏の功徳を称えるために香を焚くことをいいます。宗派によって焼香の作法に違いがあります。

焼香の作法

まず、焼香の順番に関してですが、故人さまと近い関係の方から行うことになりますので喪主、ご遺族、ご親族、参列者の順となります。参列者の数が少ない場合は一人ずつですが、多い場合は2~3人同時に行うこともございます。自分の順番がきたら、焼香台の手前まで行き一旦立ち止まって、ご遺族さまに一礼します。数珠を左手にかけて、抹香を右手の親指・人差し指・中指で軽くつまみ、手を自分の方に返して額の高さまでもってきて、すぐ左にある香炉に少し上から静かに置くように入れて焼香します。抹香でなく線香の場合はロウソクの炎で線香に火をつけて左手であおいで火を消して宗派によって変わりますが、線香を香炉に立てたり、寝かせたりします。終わったら再びご遺族さまに一礼し、自分の席に戻ります。各宗派によって焼香の回数等が変わってきますので注意しましょう。

おしいただくとは

おしいただくとは焼香の際に故人さまが成仏するように抹香に祈りを捧げることをいいます。抹香を右手の親指・人差し指・中指で軽くつまみ、額に向けて祈ります。

浄土宗

焼香回数は1~3回で、おしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。

浄土真宗(本願寺派)

焼香回数は1回で、おしいただくはしません。抹香は香炉へ低い位置から落とします。お線香は1本を2つに折り、その2本に同時に火をつけ、香炉の中に横に寝かせて置きます。

浄土真宗(大谷派)

焼香回数は2回で、おしいただくはしません。抹香は香炉へ低い位置から落とします。お線香は1本を2つに折り、火をつけずに、香炉の中に横に寝かせて置きます。

真言宗

焼香回数は3回で、最初の1回目のみおしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。

曹洞宗

焼香回数は2回で、おしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。

天台宗

焼香回数は2回で、おしいただくは個人の自由です。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。

日蓮宗

日蓮宗の焼香回数は3回で、おしいただく。ただし、一般の参列者は1回となる場合があります。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。僧侶によって1本立てるだけの場合もあります。

臨済宗

焼香回数は1回で、おしいただくは個人の自由です。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。

玉串奉奠に関するマナー

玉串奉奠とは

玉串奉奠とは玉串を神様にささげる神道の儀式で神葬祭で執り行います。神様が宿るとされる榊の枝に紙垂(しで)や麻を結びつけたものを玉串といいます。斎主、喪主、ご遺族、ご親族、参列者の順番で行います。

玉串奉奠のマナーについて

自分の順番が回ってきたら、祭壇まで進み、ご遺族に会釈を1回します。斎主の前まで進み一礼してから両手で玉串を受け取ります。持ち方は右手を玉串の根元を上から包むようにし、左手は枝先を下から添えるようにします。そのまま玉串案(玉串を乗せる台)の前まで進んで、祭壇に向かって一礼します。次に根本を持っている右手を時計回りにして玉串を縦にして、今度は根本を左手に持ち替えます。左手は下から添えるかたちのままで右手も枝先を下から添えるかたちにして、時計回りに半回転させて根本を祭壇の方に向けます。そのまま玉串案の上に玉串ぼ上に置きます。二礼してから拍手(かしわで)を2回打ちます。拍手は音をたてずに行いましょう。拍手の後は正面を向いたまま一礼します。正面を向いたまま2~3歩下がってから、ご遺族の方を向いて会釈を1回します。終わったら自分の席へ戻ります。

献花に関するマナー

献花とは

キリスト教式やお別れの会等で行う儀式でスタッフから参列者さまに配られるお花を順番に献花台に置いて故人さまを送ることをいいます。

献花のマナーについて

自分の順番が回ってきたら、スタッフよりお花を受け取ります。受け取ったら献花台まで両手で持っていきます。献花台の前にきたら一礼して右側に花がくるように右手の平の上に置いて左手は甲を上にして茎元を人差し指・中指と親指で挟んだ形にします。献花台に置く際は時計回りに花を自分の方に向けてから置きます。カトリックの方は十字を切って、プロテスタントの方は胸の前で祈りのポーズ(特に決まりはなく、両手の指を組み親指だけ交差させて握るようにして問題ありません)をし、それ以外の方は片方の手の甲に、もう片方の手のひらを重ねて黙祷してから、もう一度一礼します。

出棺に関するマナー

出棺とは

葬儀の際に故人さまの棺を家から送り出すこと、お別れの儀が終わった後に、ご親族や友人が棺を持って火葬場までお運びすることをいいます。出棺の儀とも呼びます。喪主は位牌、遺族代表は遺影を持ってその後に続きます。

出棺までの流れやマナーについて

まずお別れの儀を執り行い故人さまとの最期のお別れに棺の中に花や副葬品を飾ります。終わったら釘打ちの儀がある場合は参列者が小槌や小石で釘を2回打ち込んで棺に蓋をします。最近では、この釘打ちの儀は省略されることが多いです。遺族、親族の男性が棺を霊柩車まで運びます。運ぶ際は故人さまの足を前に向けて5~6人で持ちやすいように持ち台車まで運びます。コート等の上着は脱ぐのがマナーとなっています。霊柩車に棺を乗せたら喪主の挨拶があります。喪主が位牌、遺族代表は遺影を参列者の方に向けて挨拶をします。挨拶が終わり一礼をしたら出棺となります。出棺の際は喪主は霊柩車に乗り、遺族代表は僧侶と共にハイヤーに乗り火葬場へと向かいます。火葬場が敷地内にある場合は残った遺族や参列者はそのまま後についていき、火葬炉の前で合掌して頭をさげ故人さまをお見送りし、会食室へと向かいます。火葬場が遠方の場合はマイクロバス等に乗り火葬場へと向かいます。

火葬に関するマナー

火葬とは

読んで字のごとく、ご遺体を火葬することをいいます。火葬場に火葬許可証を提出し火葬を行います。火葬場とは都道府県知事の許可をうけた施設をいいます。火葬専用の施設もありますし、斎場と併設されている場合も多くあります。ご遺体を火葬する際は喪主、遺族が火葬炉前まで付き添い合掌します。一般の参列者は火葬を待つ間にお食事(精進落とし)することとなります。火葬の時間は約1時間ほどかかり、骨上げまで含めると約2時間ほどとお考えください。火葬が終わりましたら骨上げ(拾骨・収骨)を喪主、遺族、親族にて行います。

骨上げ(拾骨・収骨)のマナーについて

火葬が終わりましたら喪主、遺族、親族さまが骨上げをする必要があります。骨上げ(拾骨・収骨)とは火葬後、鉄板に乗ってきたご遺骨を骨壺に入れることをいいます。長さの違う竹製と木製の箸をそれぞれ一本ずつ持ち、二人一組になって一片の骨を挟んで箸渡しして骨壺に入れます。まず、火葬場の職員が釘などを磁石で取り除き、頭蓋骨・喉仏は最後に入れるためによけておきます。その後は足から始めて、腕、背中、肋骨、歯の順番に骨壺に入れていきます。全て終わりましたら骨壺に頭蓋骨を入れて、喪主が最後に喉仏を入れて完了となります。

弔問に関するマナー

弔問とは

通夜に訪れること、または葬儀に参加できなかった方や葬儀が終わってから訃報を知った方が後に、ご自宅に訪れることを弔問といいます。また、弔問する方を弔問客と呼びます。ここでは、通夜、葬儀・告別式に参加できず、ご自宅へ弔問する際のマナーについて説明していきます。

ご自宅への弔問の際のマナーについて

ご自宅へ弔問の際は基本的にご遺族さまへのお悔やみの言葉を伝える、香典、供物(果物や菓子)をお渡しすることになります。まず準備として最初にご遺族さまへ弔問に伺うことを連絡しておきましょう。ご遺族さまの無理のないように予定を合わせると良いでしょう。一般的な弔問の期間は葬儀後3日ほど経過してから四十九日までとなっていますが、これは、ご遺族さまへの配慮として最適な期間とされています。葬儀直後もご遺族さまは様々な手続きが必要となってまいりますので、直後は避けるべきとされています。そして四十九日までなのは、余りにも期間が空きすぎるのも、ご遺族さまの弔問客への対応が負担となるためとされています。しかしながら、四十九日を超えてしまったら弔問できないかといったら、そんなことはありません。四十九日後に訃報を知ったケースもありますし、特に決まりがあるわけでもありません。どうしても、お悔やみの言葉を伝えたいのであれば、ご遺族さまも喜んでいただけるでしょう。

次に着ていく服装の準備をしましょう。葬儀と違って喪服ではなく平服にしましょう。あまりに派手な服やアクセサリー類は避け、靴やカバンは光沢のないものを選んでおきましょう。数珠の準備も必要です。

香典については仏教の場合は弔問に伺う日が四十九日前の場合は御霊前、四十九日の忌明け以降であれば御仏前・御佛前とするのが一般的なマナーです。

供物については必ず必要ということはありませんが、持っていくのであれば果物や菓子類が良いでしょう。お花を持参する場合は一般的に白い花のフラワーアレンジメントが良いとされています。もちろん故人さまの好きな花であれば薔薇等でも特に問題ありません。

ご焼香のマナーはお線香に火をつけて香炉に立てますが、宗教によって変わりますので注意しましょう。以下に宗派ごとの違いを詳しく解説します。

浄土宗

焼香回数は1~3回で、おしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。

浄土真宗(本願寺派)

焼香回数は1回で、おしいただくはしません。抹香は香炉へ低い位置から落とします。お線香は1本を2つに折り、その2本に同時に火をつけ、香炉の中に横に寝かせて置きます。

浄土真宗(大谷派)

焼香回数は2回で、おしいただくはしません。抹香は香炉へ低い位置から落とします。お線香は1本を2つに折り、火をつけずに、香炉の中に横に寝かせて置きます。

真言宗

焼香回数は3回で、最初の1回目のみおしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。

曹洞宗

焼香回数は2回で、おしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。

天台宗

焼香回数は2回で、おしいただくは個人の自由です。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。

日蓮宗

焼香回数は1回で、おしいただく。抹香は香炉へ落とします。お線香は3本同時に火をつけ、香炉の中に奥に2本手前に1本の逆三角形のような形になるように立てます。僧侶によって1本立てるだけの場合もあります。

臨済宗

焼香回数は1回で、おしいただくは個人の自由です。抹香は香炉へ落とします。お線香は1本に火をつけ、香炉の真ん中に立てます。