こんにちは、『心に遺るお葬式』代表の山上芳範(やまうえよしのり)です。
新型コロナウイルス感染症が蔓延し、主要都市で緊急事態宣言が何度も発令される中、親戚や知人の訃報が届き、参加すべきかどうか迷っている方々へのアドバイスです。お葬式への参列は遊びに出かけるわけではなく、弔いに向かうことが目的です。不要不急の外出とは異なります。ですが、参列すべきかどうかは迷ってしまうところでしょう。では実際、どのような点に注意すれば良いのかをご紹介いたします。
Aさん:生前お世話になった方の葬儀が行われることになった様なのですが、このコロナ禍において参列していいかどうかで迷っています。
山上:参列してもよいのかどうかの趣旨は確認が必要となります。
コロナ渦でのお葬式は、参列者のリスク軽減のため、家族や近場の親戚のみで執り行うことにしている葬儀も多く、遠方からの参列自体をご遠慮してもらいたい、というような旨を含んでいることも多々あります。
山上:訃報の内容に参列を断ります、とはっきり書かれていることは無いと思いますが、
「近親者にて執り行います」や、「故人の遺志により家族葬で執り行わせていただきます」などの記述がある場合は、一般の参加はお断りしたいという趣旨を含んでいることになります。
親戚の訃報であれば、直接連絡し、参列に関しての趣旨を確認すべきでしょう。
ご遺族としても、来ては欲しいけど、こんな状況、無理をしてまでは来てほしく無い、という複雑な心境になっているのも現実です。参列する為に、長距離を移動しないといけない場合などは、宿泊に関してや、移動中の感染リスクなど、ご遺族としても考慮しないといけない内容が増えてしまいます。基本的には、近場の親族の葬儀であれば参列の確認を行い、遠方であれば、辞退するという決断も必要になる場合もございます。
Aさん:参列する場合に気をつけることはありますか?
山上:まずはご自身の体調が万全であることが大前提ですが、参列される際は感染しない、させない配慮が大切です。
新型コロナウイルス感染症は飛沫感染と接触感染の2種類があります。
くしゃみや咳、会話中での唾などの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染を起こす飛沫感染と、くしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れてウイルスが付き別の人がその物に触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染する接触感染です。
山上:マスクの着用を徹底しましょう。
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫を防ぐ簡単で最も効果の感染防止策です。斎場でもマスクの着用を義務ずけているのがスタンダードになります。マスクを着けての参列は失礼かもしれないというのは、一切ございませんので、安心してマスクを付けてご参列下さい。
山上:アルコール消毒を徹底しましょう。
手洗い・うがいはもちろんのこと、アルコール消毒をきちんと行うことで手洗いだけでは落としきれずに残った目に見えない、ウイルスや細菌を除去することができます。お香典の受け渡しや、ご焼香など、手に触れざるを得ない作法もいくつかございます。斎場などにも常設しているのが基本になっていますので、 参列される方々も積極的にアルコール消毒に協力していきましょう。
山上:極力長居をしない配慮も必要です。
お葬式への参列の場合、どうしても悲しみの中での久々の再会などになる場合も多く、悲しみを分かち合うために、長時間の滞在になるケースも多いです。親族のご葬儀で着席して参加をする場合を除き、一般の参列である場合は、お焼香を行い、弔いを告げることができた場合は、あまり長居することなく、早めにお帰りになることも重要です。ご遺族と対面で会話する場合はきちんと距離を保ち、なるべく短時間で会話する事を心掛けることも重要です。
A.わかりました。もし参列しない場合はどうしたらよいのでしょうか。
山上:多くの場合は、参列を控えてもらうような趣旨のご葬儀でも、
供花や弔電、お香典などは受け取ってもらえる場合が多いです。供花はお供えのお花です。葬儀社に手配してもらえるようになっていますので、式の案内に併記されている葬儀社へ問い合わせを行いお供えしましょう。
弔電の場合、葬儀の会場へ弔電のサービスを通して当日に間に合うように手配いたしましょう。お香典は、現金書留で送るか、参列する方に代わりにもっていってもらえるかどうかなどを確認し合いましょう。
Aさん:参列しなくても、色々出来ることはあるんですね。他に注意することはありますか。
山上:なにより重要なことは、参列できない旨などを伝えられる場合は、きちんとお伝えすることで、ご遺族も安心なさるでしょう。伝えることができない関係性や、そういった葬儀の場合は、葬儀社に相談するか、確認をすれば、お葬式の趣旨なども明確に教えてもらえる場合が多いので、気軽にお問合せするのが間違いないでしょう。
Aさん:わかりました。ありがとうございます。
いかがだったでしょうか。コロナ禍においての参列は迷われることも多いかと思いますが、大切なのは故人を弔う気持ちと、ご家族様への気遣いですので、それを忘れずご判断いただければと思います。